岩垂徳行OFFICIAL SITE

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「Ingmar~for the beginning~」岩垂徳行・川澄歌織

「Ingmar~for the beginning~」岩垂徳行・川澄歌織

~心に届くって、こういうことなのかもしれない~ 野田誠司(音楽評論家)

 音楽は、いつだっていくらかの自己暴露性とナルシシズムをはらんでいるものだけれど、そんな意味で Ingmar はかなり潔くいっちゃっている。魂の告白 時空を越えたロマンス しかも真実の物語だというのだから。「起承転結」その攻め口はいたって分かりやすく、Story makingのまるで優等生のようだけれど、「女」の歌が導く世界のあまりのシンプルさと純粋さに尋常ではあり得ない!聴くものは、「女」のさしだす問いかけにとてつもない求心力でさらわれることになる、が・・・・あえて流され、体の中に「永遠」が広がる時の焦がれる程の郷愁と快感を是非味わって欲しい、やがて訪れる緩やかな安らぎとともに。
~for the beginning 起源へ ~このアルバムは岩垂徳行(曲)と川澄かおり(詞・VOCAL)の音楽的かつパーソナルな起源であると同時に、全く新しい音楽スタイルの起源にもなるだろう。

 

1. NOSTALGIA  (作・編曲 岩垂徳行)
2. .Etude~for the beginning~(作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
3. 影法師  (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
4. SENSE  (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
5. 旅立ち   (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
6. 貝のボタン~夏至祭りのBALLAD~(作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
7. 戦いの舞い (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
8. 遠い故郷を思う唄 (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
9. 蜜夜の子守歌 (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
10. REFLECTION (作・編曲 岩垂徳行)
11. 武神~滄き祈り~ (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
12. PASSAGE~回廊~ (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
13. 白鳥   (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
14. SEALED~封印~ (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)
15. 再生   (作詞 川澄歌織 作・編曲 岩垂徳行)

 

楽曲解説

遠い昔 遥か北の大地で

ひとりの男とひとりの女が出逢いました
男は旅をする民で 女は唄い踊る民でした
二人は恋に落ち 美しい月の夜にそっと結ばれました
けれども男は すぐに次の地に旅立たなければなりません
二人は 再会を約束して別れました
  
女は待ち続け 寂しくなると記憶の奥で男に逢いました
何度も何度も逢いました
ある日 男の気配が途絶え
絶望した女は自らその生命をとき放ち
閉ざされた眠りにつきました

それは 
果たせなかった二人の想いを巡る 
いつ終わるとも知れない時空を超えた
物語の始まりでした

 

時は現代
一人の女が 一人の男に出逢います。
女は男との出逢いにInspireされて 一筋のMelodyを思い出します。
やがてそのMelodyは、ある声を伴って頭の中に聞こえてくるようになり、
ある日、女は意識の中で
遠く幾世紀もの過去へと引き込まれていきます。

 

01.NOSTALGIA
暗く乾いた部屋 一冊の古いノート 突然に舞い込んだ風 そしてほどけてゆく糸 踊り出すpage・・・
一筋のMelody(少女が唄う声)に導かれて過去への扉が開かれ、二人の転生の全てが書かれた本のPageが時を遡るようにめくられていきます。


02.Etude~for the beginning~
”起源へ・・・・for the bigining”
深い静寂のなかで死んだように眠る記憶たち
一人の女と一人の男の転生の物語が始まります。
この歌を唄っているのは二人の最初の出逢いを生きた女でもあり、全ての転生を経てきた女の魂でもあります。
語り始めた女の歌声は それらを覚醒し遥かな起源へといざなう


03.影法師
瞼の裏でかすかに揺れる気配 鼻の奥を密かにくすぐる匂い
あまりにも甘美な幻で過去へと誘い込む 動かないはずの振り子 止まったはずの時計
過去に迷い込むことで現在(いま)に生きる心が崩壊していくことへの警告とも言えるうた

女の魂が、過去へ遡っていく現在の女の意識に向けて、そしてまた、このアルバムの聞き手に向けて唄っています。
過去の世界へ入っていくことへの、また、このアルバムの世界へ入っていく事への覚悟を促している曲とも言えるでしょう。

 

時は幾世紀の昔、二人の転生の物語。その第1章

 

04.SENSE
~遠い昔 遥か北の大地で~
そのようにして 二人は出逢い 愛し合い 別れた
女は 何を見 何を思い 何を知ったのか
その全てのSENSEを言葉たちが綴る(つづる)

 ”風 空 耳 渦 谷 声 泡 夢”
女が暮らす村。美しく厳しい自然。穏やかな毎日。谷から渡る風が微かなざわめきを運んでくる。
「聞き慣れない声、知らない香り!!」
女は五感を研ぎ澄ませて気配を感じようとする。それらは渦を巻いて女の胸を騒がすけれど、これは夢で明日には泡のように消えて、また変わらない日々が続くかもしれない・・・。

 ”鳥 雨 虹 恋 水 雲 綿 星”
鳥たちが慌ただしく飛び立って、雨が降ってきた。あの人達(旅をする民)は、しばらく村に留まるらしい。いつもの風景がいつになく鮮やかに見えたり、ぼんやり感じたりして、女は何をしていても落ち着かない。ふと気がつくと誰かの影が頭をよぎっていく。

 ”石 鐘 貝 舟 棘 粒 愛 誰”
次第に女の体の中には重い石や鋭い棘がうごめくようで、鐘の音を聞いても浜辺を歩いてもそれらが疼いて、女はその傷みに涙を流す。そして、頭をよぎる人影は昼も夜も女から離れない
「この気持ちは何!? あなたは誰!?」

 ”石 鐘 貝 舟 棘 粒 愛 何故”
「これは愛なの!? そして、あなたなの!? どうして!?」

 ”指 頬 胸 息 波 声 色”
風が渡る夜、ざわめく草原、二人は見つめ合い、そっと結ばれる

 ”闇 空 月 影 音 海 風 星”
横たわる二人を取り巻くものは、静かで優しい

 ”土 種 雪 雨 草 露 時 夢”
男はもうすぐこの地を立つ。
しかし播かれた種がやがて芽を出し大地に根を張り、その穂に美しい朝露をたたえるように、二人の夢が時を経て大きく育ち成就すると女は信じる。

 ”謡 花 糸 息 砂 恋 肌 愛”
女には口ずさむ謡も、目に留まる花も、全てが二人を繋ぐ糸のように思えて、ふっと息を吹きかけてみる。男を恋しいと思う気持ちは砂のように様々に流れ、形を変えるけれど、その肌に残された男のぬくもりを感じる度、女は変わり様のない愛に立ち戻る。


05.旅立ち
その朝 あの風が吹いた
男は女を残し 旅立つ

 

男は旅をする民で 女は唄い踊る民でした・・・・
男は旅立ち 季節は過ぎる 女は唄う 語り継がれるBALLADに 熱い思いをのせて

 

06.貝のボタン~夏至祭りのBALLAD~
夏がはじまる 北の大地に白夜が訪れる 
人々は浮かれ 太陽の恵みを慈しむ
若者は誇らしげに笑い 娘たちはまだ知らぬ予感に
胸をときめかす
夏がはじまる いくつもの物語を連れて


07.戦いの舞い
男たちは向かう 大切な女(ひと)を守るため女たちは想う
愛しい男(ひと)のただその命のあることを
一抹の栄華に空しさを隠して 歴史(とき)は刻まれる


08.遠い故郷を思う唄
かつて 女の祖先もまたもうその軌跡すらわからない遠い土地から旅を重ねてきた
時が流れてもおきざりになった焦がれる思いが消え去ることはない


09.蜜夜の子守歌
「初めてみる男を好きになってはいけない 
通り過ぎるだけの男と約束などしてはいけない」
それは 村の女たちが伝えるしきたり 
その身に沈めた苦い痛みのひとりごと

 

10.REFLECTION
癒えない心に映る色 空虚な身体に響く音 嘘か真か嘘か真か
湖の深みは涙の青 ひばりの歌は嘆きの叫び 
紅の花はその身に開いた傷口 
在るものは姿を変え 無いものは姿を纏う(まとう)
そして 崩れてゆく 境界線

女は男との再会を信じ、一人想いを心に秘めて頑張るけれど、あまりの恋しさ、切なさに次第に心が崩壊していきます。心身に触れる全てが光を失ったように感じられ、現実なのか幻なのかも分からなくなっていきます。


11.武神~滄き祈り~
昔 武神(たけがみ)と崇められた戦いの勇神は、人々を勝利に導いた草原で そこここに 泉のように溢れて止まない鮮血の あまりの赤さに目が潰れ 言葉を失った
語るすべをなくした武神の 本当の祈りを 誰も知らない


12.PASSAGE~回廊~
「眠りの縁で漂う心 あの男(ひと)を求めてさまよう身体 
一粒の涙 二粒の涙・・・・千粒の涙・・・・百万粒の涙・・・・
この長い回廊も 冷たい涙の海の底 私は 息を していない! 」

朦朧とした意識の中で、女は自らの涙の粒を数えながら眠りにつきます。
浅い夢の中で、長い回廊を女は男を求めてさまようけれど、男は見つからず、気がつくと自らの涙で出来た深い海の底にいて、息をしていなかった!
女は、「はっ!」っとして夢から覚めます・・・。

 

13.白鳥
夢から覚めた女は、夜空を見上げて再び「はっ!」っとします。
男と別れてから、それを男の魂のように思い見つめ続けてきたひとつの星が、まるで輝きを失ったように見えます。
何度見直しても以前のように光を放ちません。
もうすぐ夜が明けてしまうのに・・・。
女はいつも意識の中で、記憶の奥で、男と逢う瀬を重ねてきました。
再び目を閉じて意識を集中するけれど、男は現れてくれません。
もうすぐ夜が明けてしまうのに・・・。
女は男の死を確信します。そして、自らも死を決意します。
男への道しるべとなるあの星が完全に光を失ってしまう前に!


14.SEALED~封印~
女は死んで、二人の転生の第1章は幕を閉じます。

 

15.再生
時は現代に戻ります。

あれから 幾たびの生を繰り返して二人は現在(いま)にたどりついたのか
意識の疼きは 無意識の殻をいくつ溶かして暗く乾いたその部屋に 風を呼んだのか
女が謡ったお話は 物語の始まりの始まり
手繰られるpageに秘められた二人の想いの数え切れない出逢いをもう一度辿って
あの日 閉じられた心と さまよい続けた魂たちは現在(いま)再び息を吹き返す

女は、今出逢っている男こそが、幾世紀の昔に愛し合い再会を約束したその人だったことを知ります。
そして、現在に至るまでに繰り広げられた数々の転生をも思い出し、二人が何度も巡り会い、男の魂もまた、果たせなかった約束を果たすために女を捜していたことを、しかしその度に惹かれ合いつつも愛を成就できなかったことを知ります。
そして今まさに再び巡り会ったその男を愛し始めていることを感じる女。
二人の愛はひとつのRealな真実に至ります。

©NORIYUKI IWADARE produced by x-climb